Vol.224

 

輝け!


ローターブレードロードバスターレーザークローの戦いが始まった。
能力的に秀でるレーザークローではあるが、
RBロードバスターの百戦錬磨の経験と知識が二人の戦いを互角のものとしていた。
その戦いが始まるとほぼ同時に、再び轟音が響いてきた。
この空域に、先ほどレッカーズの面々を空輸してきた大型輸送機が、再びやってきたのだ。
今回はその機体上部に巨大な建機を搭載して。


「あれは…ダグオン兄弟…!」
ロードバスターの肩のホワールがつぶやく。
ダグオン兄弟と呼ばれた輸送機、そして建機が戦いが繰り広げられている上空にまでやってきた。
ファイヤーダグオン!お前の任務は我々の輸送だけのはずだ!
今すぐこの戦闘区域から退去しろ!」
ロードバスターがレーザークローの攻撃を避けながら、輸送機に向かって叫ぶ。
パワーダグオン!お前はアジア地区で都市建設の任務についてるはずじゃなかったか!?」
今度はEVACが建機に向けて叫んだ。
「前からいってる通り…」
「俺達はレッカーズに入隊したいんだ!」
ファイヤー、パワーのダグオン兄弟は、空中でトランスフォームした。
巨大なバケットが右腕のパワーダグオンはそのまま自由落下し、
ヘラルドの一人がいるポイントへそのまま着地した。
辺りに激しい振動が起こる。
パワーダグオンの目論見としてはその振動でバランスを崩したヘラルドを攻撃…
したつもりだったが、
対象となったヘラルドは軽々とその攻撃をよけていた。
バランスを崩したのはサイバトロンの戦士たちだけだ。
一方、ファイヤーダグオンはそのまま空中に留まり、
宙を飛ぶヘラルドの一人に攻撃を仕掛けるが、
その巨体が仇となり、すばやく動くヘラルドを捉える事ができなかった。

 


輸送員 ファイヤーダグオン
レッカーズに憧れる、ギガロニア出身の若者。
熱血漢で一本気な性格で、
自分の中の「正義」を信じているが、空回りばかりしている。
またその若さゆえに人の忠告を聞かずに暴走する事も多々ある。
「俺の心の中のヒーローが目覚めたぜ!」


レッカーズ…特にホワールの華麗な空中殺法に憧れており、
自分の巨大な体が思うように小回りが利かない事を疎ましく思っている。
可能であるなら、小さな体にリフォーマットしたい、とさえ思っている。


ファイヤーダグオンのビークルモードは巨大輸送機。
10名ほどのサイバトロン戦士を搭載したまま、地球を3周できる能力を持つ。
輸送が主な任務のため、護衛の小さな機銃ぐらいしか火器を積んでいない。

 


建設員 パワーダグオン
ファイヤーダグオンの弟で、やはりレッカーズに憧れている。
兄が地球任務になったのにあわせて地球にやってきて、
今は地球人と共に都市の開発にその力を使っている。
猪突猛進な性格で、やや思い込みが激しく、
走り出したら止まらないのは兄同様である。
「溢れる勇気を手にするため!俺は正義を信じる!」


兄と違い、大いなるパワーを持つ自分のボディが気に入っており、
今のところ唯一、兄と意見が合わないのはその事について、である。


パワーダグオンのビークルモードは、巨大なバケットを持つショベルカー。
そのひとかきでビル一つを持ち上げる事ができる。
兄同様、建設任務が主であるため、火器を搭載していない。

 

時間が経つにつれ、ファイヤーもパワーもヘラルドを倒すどころか、
攻撃を集中的に受けたり、ヘラルドに盾にされたり、と、
ダメージを受ける一方である。
「ギガロニアンのお前達がその巨体を戦闘で生かすのにはまだまだ経験が足りなさ過ぎる!
とっとと退去しろ!」
兄弟と同じギガロニアンながらも、レッカーズ古参の戦士であるブロードサイドが叫んだ。
「いやです!俺たちもみんなと一緒に戦いたい!」
「そのために、この力を得たんだ!」


ファイヤーとパワーはすっくと立ち、
お互いに顔を見合わせた後、
背中合わせとなる。


「いくぞ、兄者!」
「おう!ビックリさせてやろうぜ!」
「「リンクアップ!!」」


二人が叫ぶと、パワーダグオンのボディが9つのパーツに分割され、
ファイヤーダグオンにみるみる装着されていく!

「「ファイヤーダグオンスーパーモード!!」」

 

 

 

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