Vol.212

 

ヘラルド来襲


とある地方にある、その存在を地元のものすら知らない、
森の中に隠れた洞窟。
自然に発生したこの洞窟は、入り口こそ少々小さいものの、
中は広く、多少入り組んだ作りになっていた。
この洞窟内には今、6体のトランスフォーマーがいた。
そのうちの一人は縛られ、洞窟の隅の方で座らされ、うなだれていた。
そう、フレイヤだ。
謎のTFに捕らえられたフレイヤは、ここにいた。
そして当然、この洞窟にいる他の5人は、
フレイヤをさらった謎のTFなのである。
その内の、リーダー格と思しきTFが、つまらなそうに急ごしらえなモニターを見ながら仲間に問うた。
「おい、あの小娘はどうしてる?」
彼が振り向けば、すぐ視界に入る位置にフレイヤはいる。
なのに彼は、そういう行為さえ面倒くさい、と言わんばかりに仲間への確認を促したのだ。
「ああ、さっきとかわんねぇな、おとなしく縮こまってるぜ。ひゃは!」
トカゲのような顔をした仲間の一人が、フレイヤをちらっとみてそう答えた。
「やれやれ、昨日まではあんなに騒いでたってのに。」
全身が白い、小柄なTFが肩をすぼめた。
「自分が助からないとわかって、あきらめんたんだろうよ。」
スカージ…いや、かつてのフレイムコンボイによく似た、全身が青いTFがエネルゴンを口にしながら興味なさそうにそういう。
「それにしてもサイバトロンどもの動きが遅いな…さっきから洞窟の入り口のところで、ちんまいヤツがひとりいるだけだ。」
リーダー格のTFが見ているモニターの一角に映っている、赤い小柄なサイバトロン…アムホーンだ…を見ながら、
象の牙のような角をたたえた巨漢なTFがそういった。
「おおかたこの小娘をどう救い出すか、無駄な相談でもしあっているのだろう。
…どのみち用があるのはアニマトロスの暴君竜だけだ。
ヤツはこの小娘がこちらにいる以上、必ずやってくる。
そして、ヤツの目の前で小娘を破壊して、荒ぶったヤツのスパークを頂く。
…そう、我らがユニクロン様に捧げる、より強いスパークを!」
そう言って、謎のTF集団…ヘラルドのリーダー、レーザークローは口の端をゆがめた。

 


ヘラルド・リーダー レーザークロー
ユニクロン復活を画策する、ユニクロンの忠実な部下たち…ヘラルドを束ねる。
鋭く、残忍な性格をしており、力と恐怖でヘラルドをまとめている。
「嫌ならここで殺してやろう。なに、貴様の代わりはいくらでもいる。」


彼をはじめ、ヘラルドのメンバーのほとんどが、
いろいろな平行世界からユニクロンによって集められ、
洗脳され、歪められた存在であり、
このレーザークローも、元の世界では正義の戦士として天空を舞っていた、
といわれている。


背中の巨大なミサイルを発射するための形態・アタックモード。
羽根にある4つの増幅装置により、ミサイルの巡航速度や威力を増幅する。


レーザークローのビークルモードは、戦闘機。
明らかに地球文明のそれとは異なった形状から、
少なくとも地球の文化圏の出身ではないとわかる。


もう一つの形態・ビーストモード。
これもまた、アニマトロスのTFのそれとは異なっており、
より奇異なこの形態は、見るもののの精神を蝕む可能性を持つ。

 

先ほどのヘラルドたちの会話を聞いて、フレイヤ…フレアはどう思ったのであろうか?
「冗談じゃないわよ!」
フレアが、小声で怒りの声を上げた。
「私をダシにスカージ叔父さん誘い出して、スパークをとっちゃうなんて…
そんなこと、させないんだから!」
フレアは、怒りで握った拳をわなわなと震わせる。
「でも、どうやってここから出よう…」
そういって、フレアはちらっとフレイヤを見上げる。
そう、フレアは、縛られて動けないフレイヤから這い出し、
フレイヤの物陰に隠れ、脱出の機会をうかがっていたのだ!
「緊急脱出装置が使える縛られ方でよかったわ、ホント。」
そう言いながら、フレアはヘラルドたちの動きを見張る。
レーザークローとでっかい象牙角は中央のテーブルに座って、向こうの壁のモニターを見ている。
スカージ叔父さんに似た青いヤツはテーブルに足を乗せて、エネルゴンを飲んだくれてる。
トカゲみたいなヤツは何にも興味がなさそうに洞窟の隅で寝転がっている。
そして…
「あいつが一番厄介なのよねー。」
フレアが“あいつ”と呼ぶ、小柄な全身が白いTF…ウインドレイザーは、洞窟の出口に続く通路の手前で壁に背をつけ立っており、
たまに、こちらの様子を伺うのだ。
「あいつさえいなきゃ、ダッシュでこんな洞窟抜け出してやるのに…」
フレアの頬が、ぷーっと膨らんだ。

 


ヘラルド・追跡員 ウインドレイザー
ヘラルドの一員で、ユニクロン復活に必要なスパークを追い続けており、
これまでにもいくつものスパークを狩って来た。
小柄な体によるフットワークのよさと、
深い、まるで老練の戦士のような経験と知識で相手を追い詰めるのだ。
「逃げても無駄だよ、どうせ僕に捕まるんだから。」


口調や肉体的な年齢は若そうなのだが、
時たま見せる豊富な知識や経験の深さから、
かなりの年齢を感じさせる、
ミステリアスな一面をもつ。


脚部のアーマーは手に持ち、ウイングレザーという武器となる。
その切れ味は分厚い鉄板をハムのように切る事が可能だ。


ウインドレイザーのビークルモードはバイク。
明らかに地球の文化圏の乗り物である。
あるいは彼は、平行世界の地球から集められたのかもしれない。

 

 

 

というわけで、久々の更新は、いよいよリベンジトイのリペフォ2体となりました。
しかも、旧ユニバースのレーザークローと、
BOTCON1999の限定トイ・ウインドレイザーという、
マイナー路線で攻めてみました。(笑

レーザークローは、サウンドウェーブの画像をはじめて見た時に
「タイガーファルコンに似てね!?」
と感じたのが今回のリペフォのきっかけでした。


ではなぜ、タイガーファルコンではなく、レーザークローなのか?
サウンドウェーブの色自体がタイガーフェルコンっぽいので、
変わり映えしなくて面白くない、と思い、
レーザークローに落ち着いたのでした。


無理がありまくりなビーストモードですが、
レーザークローと並べたら…そんなに変じゃないよね?よね??

一方、ウインドレイザーですが、
こっちはもう、パッとのひらめき。(笑
元々何か作るつもりでイベントのときに購入したんですが、
何を作るか考えてた矢先、
ペラペラめくっていたビーストウォーズ ユニバースで目にとまったウインドレイザー。
「あ、いけるんじゃね?」
そんな感じで。(苦笑


ノックアウトと並べると、
ついつい「ふたりは〜」と言ってしまうんだぜ?

ウインドレイザーは例によってもってないんで、
シルバーボルトとの比較。
翼のミサイルを手に持たせられる、というギミック再現のため、
外れやすくてイヤンなカンジな脚部アーマーに持ち手を追加、
手に持たせられる様にしました。

ウインドレイザーでなく、シルボル作ってたらこんなカンジなー。