Vol.200

 

たまにはアメコミ風


ヨーロッパのとある街の郊外。
空き家となっている大きな屋敷の隅に、2体の巨大な人影が潜んでいた。
ダイバービッグホーンだ。
街中で謎のTFに襲われ、何とか逃げ去り、ようやくここに落ち着いたのだ。
「…まったく、いきなりなんやねんなぁ?」
「あいつ、ワシと互角の力をしとった…あなどれんぞ。」
2人は交互に文句をいいながら、“敵”の正体について考えを張り巡らせていた。
「…なんにしても、ああいう輩がおる以上、あの街に何かがあるのは間違いないなぁ?」
「うん…ワシもそう思う。」
「よっしゃ、こうなったら夜を待って、ワイ一人で忍び込んでみるわ。」
「え…ワシは?」
「ビッグホーンはんは体大きいよってな、街の入り口で待っといてんか。」
「しかし…一人じゃ…」
「ふふん…ワイをなめてもろたらこまるで。ワイはかつて地球人たちに“夢魔”と呼ばれた男でっせ。夜はワイの独断場や。」
そう自信満々に言い放つダイバーの発案に、ビッグホーンは頷くしかなかった。

夜。
街からは人通りが消え、あたりは静まり返っている。
その街を、1体のTFがすべるように駆け抜けている。
この巨体で金属の体を持つ彼が、どうやってこのように静かに移動できるのか?
それは謎だが、「独断場」と言い放っただけはあるといえる。
(ビッグホーンはんには言わへんかったけど、あの時、ほんの一瞬だけ、謎野郎の心を覗けてん。
なんや“宝石店を守る”的な感情しか見えへんかったけどなっ…)
ダイバーは、周りに比べて明らかに大きな建物の前にやってきた。
その建物は店舗のようで、看板には「ジュエル・アニー」と書かれている。
(ここやな…確かにあの謎野郎もここら辺を見て回ってるときに襲ってきたんやったな。)
あたりを警戒しながら、ダイバーは宝石店の周りを探り始めた。
と、裏口らしき入り口を発見する…あきらかにTFが出入りできそうなほどの大きな扉がある。
(さて、潜入…してみるかいな?)
裏口にダイバーが近づいた刹那、殺気を感じてダイバーは身を翻す。
次の瞬間、ダイバーがいた場所には大振りな刃を持つ投擲武器が突き刺さっていた。
(だれや!?)
あくまでも心の中で叫びながら、武器が飛んできた方向を見る。
道路の向こうに、1体のTFのシルエットが見えた。
(昼間のヤツ…?じゃない!)
先ほど地面に突き刺さった武器が、勢い良くダイバーめがけて飛んできた。
それを何とかよけたダイバーは、武器が道路向こうのTFの元へ帰っていくのを見た。
次の瞬間、目にもとまらない速さでTFが動く。
ダイバーは何とかその動きを追い、自分めがけて振り下ろされたヤイバを鉤爪で受け流すことが出来た。
ダイバーの目の前にいたのは、明らかに戦闘に特化したボディを持つTFだ。
「貴様…何者だ…?」
そのTFは低く聞き取りにくい声で聞いてきた。
「それを知りたいのはお互い様ちゃう?」
ダイバーはその能力を使うべく、すべての爪を目の前のTFに触れようとするが、
何かを感じ取ったかのように、そのTFはダイバーから離れ、一定の距離をとった。
「何者でもいい…排除する!」
両腕に装備した刃をぎらつかせ、すさまじいまでの殺気を放つTF。
(こらあかん。)
本能的に危機を感じたダイバーは、懐に忍ばせていた閃光弾を投げつけ、
逃走を開始した。
ダイバーと、TFの間で炸裂する閃光。
TFは一瞬たじろいだが、すぐさま追撃の行動を開始する…
しかし。
逃げ足においては、ダイバーのほうが一枚上手だったようで、
その姿はすでにどこにもいなかった。
「何事だ、マンテラー。」
低いが、良く響く声が裏口の向こうから聞こえた。
マンテラーと呼ばれたこのTFは、裏口の前に立ち、かしこまった。
「ねずみ…いや、カエルが一匹。取り逃がしました。」
「サイバトロンではないのか?」
「いえ。」
「・・・引き続き任務を続けろ。カエルが再び来るようなら、間違いなく始末しろ。
“女王”の眠りを妨げてはならん。」
「御意。」
裏口の向こうから、声の主の気配が消えた。
マンテラーはこれまで以上にセンサー類の感度を上げ、望まぬ来訪者に備えた。

 


インセクター・忍者 マンテラー
アンタゴニーに雇われ、インセクターの護衛・警備を担当している。
発達したセンサー類と、俊足、そして体術を駆使して、
夜、やってくる“望まぬ来訪者”を排除している。
寡黙で、必要以外のことをしゃべらないので、
仲間内にも彼の身上を知る者はいない。
「任務完了、それでは、御免!」


彼の使う体術や言動が、
この地球にいるという“忍者”と呼ばれるスーパーソルジャーに似ているため、
かれの役職名は“忍者”となった。


マンテラーの背中には力場を発生し、重力を半減する装置がついており、
これにより信じられないスピードで移動することが可能なのである。


両腕にマウントされた武器・マンティスダガーを組み合わせると、
巨大な投擲武器・マンティスラッシャーとなる。
この武器はマンテラーの脳波で自在に動かすことができ、
トリッキーな動きで相手を翻弄し、切り刻む。


マンテラーのビークルモードは装甲車。
スピーディア出身だけあり、この形態でも恐ろしい速さでの走行が可能である。

 

 

ちゅーワケで今回は、レッケージを使用したマンテラーです。
最初のプランではインシネレーターをつかって作るつもりだったんですが、
インシネレーターがヴォイジャーサイズと知り、計画変更。
元から忍者っぽいレッケージを使用することになったのでした。


そのレッケージとの比較。
全然色が違うんで、印象が違って見えると思います。


マンテラー…は持ってないんで、マンティスとの比較。
こうしてみると、マンティスのイメージはちゃんと出せてる…かな?


ちなみに今回こだわった、股間部。
カマキリの頭部っぽい意匠になってるっしょ?


これでインセクターの部下が3人揃った!
あとは3人…
果たして、年内に製作することは出来るのか!?

 

 

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