Vol.198

 

奪え、すべての金塊を


「ジリリリリリ…」
非常ベルがけたたましく鳴りまくる。
ここは、とある大銀行の地下金庫。
厚い岩盤とステンレス製の壁に囲まれたこの金庫だったが、
彼らの侵入を防ぐことはできなかったようだ。
「へへへ、取り放題だぜ!」
金塊の山を目前にして、1体のTFが顔をにやつかせる。
彼の背後には、大きな穴が開いており、
どうやらここから侵入したらしい。
「さて、わずらわしいチビ人間どもが来る前に、いただくとするか!」
そういうとそのTFは、腹部を展開する。
そこには、巨大なマニュピレーターがあった。
そのマニュピレーターを伸ばし、金塊をつかみ、自分の体内へ取り込む。
金塊の山が一つ、また一つと消えていく。
「おい、パワーピンチ!ダミー用のトンネル数本、掘り終えたぜ?」
不意に、背後から声がした。
パワーピンチと呼ばれた、この金塊を奪っているTFはちらっと声の主をみる。
パワーピンチの背後に開いていた穴から、先ほどの声の主であるTFが出てきていた。
「ごくろうさん。それじゃぁ、金塊積むの手伝ってくれよ、相棒。」
そういうと、パワーピンチはトランスフォームし、
装甲輸送車へと姿を変えた。
「さぁ、積めるだけ詰め込むんだ!」
後ろのハッチをあけ、パワーピンチがそういうと、
「やれやれ、本当にお前は人使いが荒いな…」
と、ため息をつきながらパワーピンチの相棒は金塊をパワーピンチに詰め込み始めた。
やがて数本を残し、すべての金塊がパワーピンチに詰め込まれた。
「さぁ、ずらかるぜ!」
そういうと、パワーピンチは穴の向こうへと走り去って行った。
「…ったく、自分勝手なやつだ!」
そうぼやくと相棒もトランスフォームし、穴の中へと走り去った。
その後すぐ、金庫の厚い扉が開かれ、
この銀行の責任者と警備員が金庫内へとやってきたが、
金塊の山がごっそりと無くなっているのを見て、
ガクリと膝を落とした。

「わははははは!見ろよこの金塊の山!たまんねぇな!」
とある場所にある、パワーピンチの隠れ家。
無事ここへ辿り着いた2人は、今日の成果の確認をしていた。
「これだけあれば、しばらく遊んで暮らせるぜ!」
上機嫌のパワーピンチと対照的に、相棒の表情は暗い。
「…なぁ、勝手にこんなことをして、“女王”に怒られないかな…?」
相棒は、ずっと考えていたことを口にした。
「それにほら、“女王”の病を治すための何かを探せ、っていう命令も来てたじゃない。それを無視してこういうことしてるのはやっぱりまずいんじゃ…」
「ったく、水を差すなよ、人がせっかく上機嫌だってのに!
いいか、この金塊はあくまでも、その“女王”の病を治す何かを探す過程でたまたま見つけたものだ。
別に命令違反なんてしてねぇよ。」
パワーピンチはしれっと答えた。
「それよりほら、お前の取り分だ!」
金塊の半分を目の前に差し出された相棒は、
その輝く金属の山を見ながら、深いため息をついた。



インセクター輸送兵 パワーピンチ
インセクターの表・裏、その両方において、陸上輸送を引き受けている。
そのペイロードは外見からは想像できないほど膨大で、
時には仲間を輸送することもある。
その性格は自分勝手で利己的。
金品に目がなく、インセクター上層部の命令関係なく銀行や貴金属店を襲い、
金品を奪っている。
「この星を動かしているのは金だ。エネルゴンじゃない。」


パワーピンチいわく、
「裏でこそこそ生きていくには、エネルゴン以上に金が必要なんだ」
というのが金品に執着している理由、らしい。


パワーピンチの武器は、腹部に収められた巨大なクロー。
このクローで相手を握りつぶしたり、掴んで放り投げたりして戦うのだ。


ビークルモードは装甲輸送車。
超高温に耐えうる特殊金属で覆われており、
たとえ火の中に入って行ったとしても、
中に影響が出ることはないのだ。


というわけで、久々のリペフォは、ペイロードをリペフォった、パワーピンチです。
以前アンタゴニーのTOP画で予告(?)していたから、
想像できていたもいるかもですね。


パワーピンチ…は持ってないんで、シザーボーイとの比較。
まぁ、ピンチもボーイも色は一緒なんで気にするな、な?


そういえばシザーボーイも、一応腹部にクローを装着可能なのよね。
…変形の副産物だけど。


素体であるペイロードとの比較。
頭部が違うおかげで、かなり印象が違う?


徐々に増えていくインセクター。
次に来るのは…

 

 

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