「ジリリリリリ…」
非常ベルがけたたましく鳴りまくる。
ここは、とある大銀行の地下金庫。
厚い岩盤とステンレス製の壁に囲まれたこの金庫だったが、
彼らの侵入を防ぐことはできなかったようだ。
「へへへ、取り放題だぜ!」
金塊の山を目前にして、1体のTFが顔をにやつかせる。
彼の背後には、大きな穴が開いており、
どうやらここから侵入したらしい。
「さて、わずらわしいチビ人間どもが来る前に、いただくとするか!」
そういうとそのTFは、腹部を展開する。
そこには、巨大なマニュピレーターがあった。
そのマニュピレーターを伸ばし、金塊をつかみ、自分の体内へ取り込む。
金塊の山が一つ、また一つと消えていく。
「おい、パワーピンチ!ダミー用のトンネル数本、掘り終えたぜ?」
不意に、背後から声がした。
パワーピンチと呼ばれた、この金塊を奪っているTFはちらっと声の主をみる。
パワーピンチの背後に開いていた穴から、先ほどの声の主であるTFが出てきていた。
「ごくろうさん。それじゃぁ、金塊積むの手伝ってくれよ、相棒。」
そういうと、パワーピンチはトランスフォームし、
装甲輸送車へと姿を変えた。
「さぁ、積めるだけ詰め込むんだ!」
後ろのハッチをあけ、パワーピンチがそういうと、
「やれやれ、本当にお前は人使いが荒いな…」
と、ため息をつきながらパワーピンチの相棒は金塊をパワーピンチに詰め込み始めた。
やがて数本を残し、すべての金塊がパワーピンチに詰め込まれた。
「さぁ、ずらかるぜ!」
そういうと、パワーピンチは穴の向こうへと走り去って行った。
「…ったく、自分勝手なやつだ!」
そうぼやくと相棒もトランスフォームし、穴の中へと走り去った。
その後すぐ、金庫の厚い扉が開かれ、
この銀行の責任者と警備員が金庫内へとやってきたが、
金塊の山がごっそりと無くなっているのを見て、
ガクリと膝を落とした。
「わははははは!見ろよこの金塊の山!たまんねぇな!」
とある場所にある、パワーピンチの隠れ家。
無事ここへ辿り着いた2人は、今日の成果の確認をしていた。
「これだけあれば、しばらく遊んで暮らせるぜ!」
上機嫌のパワーピンチと対照的に、相棒の表情は暗い。
「…なぁ、勝手にこんなことをして、“女王”に怒られないかな…?」
相棒は、ずっと考えていたことを口にした。
「それにほら、“女王”の病を治すための何かを探せ、っていう命令も来てたじゃない。それを無視してこういうことしてるのはやっぱりまずいんじゃ…」
「ったく、水を差すなよ、人がせっかく上機嫌だってのに!
いいか、この金塊はあくまでも、その“女王”の病を治す何かを探す過程でたまたま見つけたものだ。
別に命令違反なんてしてねぇよ。」
パワーピンチはしれっと答えた。
「それよりほら、お前の取り分だ!」
金塊の半分を目の前に差し出された相棒は、
その輝く金属の山を見ながら、深いため息をついた。
インセクター輸送兵 パワーピンチ
インセクターの表・裏、その両方において、陸上輸送を引き受けている。
そのペイロードは外見からは想像できないほど膨大で、
時には仲間を輸送することもある。
その性格は自分勝手で利己的。
金品に目がなく、インセクター上層部の命令関係なく銀行や貴金属店を襲い、
金品を奪っている。
「この星を動かしているのは金だ。エネルゴンじゃない。」
パワーピンチいわく、
「裏でこそこそ生きていくには、エネルゴン以上に金が必要なんだ」
というのが金品に執着している理由、らしい。
パワーピンチの武器は、腹部に収められた巨大なクロー。
このクローで相手を握りつぶしたり、掴んで放り投げたりして戦うのだ。
ビークルモードは装甲輸送車。
超高温に耐えうる特殊金属で覆われており、
たとえ火の中に入って行ったとしても、
中に影響が出ることはないのだ。
というわけで、久々のリペフォは、ペイロードをリペフォった、パワーピンチです。
以前アンタゴニーのTOP画で予告(?)していたから、
想像できていたもいるかもですね。
パワーピンチ…は持ってないんで、シザーボーイとの比較。
まぁ、ピンチもボーイも色は一緒なんで気にするな、な?
そういえばシザーボーイも、一応腹部にクローを装着可能なのよね。
…変形の副産物だけど。
素体であるペイロードとの比較。
頭部が違うおかげで、かなり印象が違う?
徐々に増えていくインセクター。
次に来るのは…
|