Vol.183

 

出動!ダッシュ戦隊!!


地球
トランスフォーマーたちがこの星を訪れて、はや20余年。
彼らの来訪は、地球にオーバーテクノロジーをもたらした。
日本
アメリカに次いで、トランスフォーマーたちを受け入れた国。
その国の霊峰・富士山の麓に、
トランスフォーマーたちの技術を研究している機関…スター機関の研究所があった。

古くから「意識を持つロボ」に造詣が深かった日本の研究員たちには、
トランスフォーマーの登場は、この上ない研究素材の登場といえた。
この研究所では、
「地球人の手で作る、トランスフォーマーの技術を応用した、自立思考型ロボット」
の研究が行われており、
それが今、実を結ぼうとしていた。

「よし、人格プログラムのインストールが完了した。
いよいよ…いよいよ我々の夢だった、“意思を持ったロボ”を、
自らの手で完成させるときが来たんだ!」
格納庫に立っている、5体のロボを見ながら、研究員の一人が感慨深くつぶやく。
周りにいる研究員や作業員も、期待と緊張で顔をこわばらせながら、
ロボの起動を見守っている。
「いくぞ…我々の子供たちよ…目覚めよ!」
研究員が、コンソールのレバーを押す。
モニターに様々なゲージが浮かび上がり、
そのどれもが今までの研究の成功を示していた。
それと同時に、格納庫の5体のロボの瞳が、青く輝く。
研究員たちが息を呑む…
「おはようございます、父さんたち。」
赤と白のボディのロボが、お辞儀をしながらそうしゃべると、
研究所員たちから歓声が沸いた。


ダッシュ戦隊
日本の研究者たちが、トランスフォーマーの技術を参考に自ら作り上げた、
自立思考型ロボットである。
もちろん変形可能であり、人間の搭乗も可能である。
人型ではあるが、ディフォルメされたボディなのには理由があり、
完全な人型では脚部の関節が自重に耐え切れずにろくに立つことが出来ないことが判明した、というのがそれであり、
これは今後の研究課題といえよう。
彼らの人工知能は、5人のスタッフがそれぞれマンツーマンで育て上げており、
それぞれ個性的な性格を成している。
“ダッシュ戦隊”の名の由来は、彼らの能力にある。
彼らの活動時間は現状で8時間であり、それ以上はオーバーヒートの危険をはらんでいる。
それ故、個体差はあれど機動性を重視しており、
ことビークルモード時の瞬発力には目を見張るものがあるのだ。
そこから、チェンジダッシャーズの仮名を経て、ダッシュ戦隊となったのである。

では、ダッシュ戦隊の5人のメンバーを見ていこう。


リーダー ウイング
ダッシュ戦隊のリーダー。
責任感が強く、面倒見がよく、そして世話好き。
それが少々度がすぎるところがあり、
メンバーから煙たがられることもしばしばである。
「およびとあらば、ひとっ飛びで駆けつけます。」


ウイングのビークルモードは高速戦闘機。
空を自由に舞う、空の戦士である。


サブリーダー マッハ
要領がよく、どんなことでもソツ無くこなすサブリーダー。
実質、チームのまとめ役ともいえる。
そんな自分が大好きな、少々ナルシストな面も併せ持つ。
「宇宙は無限のフロンティア…いつか当てなく旅したいものだ。」


マッハのビークルモードはスペースシャトル。
宇宙はもとより、大気圏中でも飛行可能。
その名の示すとおり、超高速での飛行が可能な宇宙の戦士である。


戦術家 タッカー
見た目とは裏腹に(?)思慮深く、
冷静な目で状況を把握・分析する能力に欠ける。
物静かで一人でいることが好きで、
暇なときは地中に潜って一人、瞑想にふけっている。
「地中に潜る理由?静かで一人になれる場所だから、だよ。」


タッカーのビークルモードはドリルタンク。
元はト装甲戦車として開発が進んでいたが、
とある研究者の鶴の一声でドリルがつけられた。
本人はそのことに感謝してる地底の戦士である。


諜報員 ダッシュ
メンバーの中で一番の瞬発力を誇り、
それを生かした情報収集に長けている。
だが、諜報活動には不向きな体型を気にしており、
いつかやせたい、と夢見ている。
「どんなに走っても人間みたいに痩せないんだ。不公平だと思わない?」


ダッシュのビークルモードはスポーツカー。
少々スマートに見えるこの形態を本人はいたく気に入っており、
必要時以外はビークルモードでいることが多い、陸の戦士である。


自然観察員 タックル
チーム一の怪力自慢で、チーム一の優しい心を持つ好漢。
また、観察力が高く、チーム内での不協和音をいち早く感じ取り、
さりげなくフォローをしているのに気付いているものは少ない。
「鳥が歌い、動物が安心して駆け巡る…常に心もそうありたいものだ。」


タックルのビークルモードはダンプクレーン。
がけ崩れの危険を未然に防いだり、
荒れた地を耕したり、
自然のために活躍する、山の戦士である。

 

より強大なパワーを必要とする場合に備え、
ダッシュ戦隊にはもうひとつの機能が実装されていた。
それは…合体!
古くから“合体するロボ”にも造詣が深かった日本の研究員たちにとって、
この発想が生まれるのは至極当然のことだったと言えよう。


5体のビークルがVの字を描く!
レッツ!コンバイン!


合体戦士 ランドクロス
5人のダッシュ戦隊が合体した、無敵のスーパーロボット(研究員・談)。
すさまじいスピードとパワーを誇るが、
経験不足が災いし、ここぞというところで力を発揮できないことが多い。

日本で生まれたメイド・イン・アースのトランスフォーマー。
彼らダッシュ戦隊が、密かに始まりつつある戦いの切り札になるのは、
もう少し先の話である…

 

 

はい、というわけで、今回は意表をついて(?)、
カバヤの食玩・チェンジダッシャーをリペフォったランドクロスの登場です。
チェンジダッシャー発売を知った日から、TF化は考えていたんですが、
いざTF化するとして、「誰にするのか?」で悩みました。
最初はファイヤーボルト、ブレストオフ、ノーズコン、ストリートワイズ、スクラッパーのG1コンバイナーの混合にしようか、とか、
マイクロTFからひっぱってこようか、とか、
はたまたオリジナルにするか、とか、
散々悩んだ挙句、ランドクロスに落ち着きました。
タッカーとタックルが少々強引ですが、違和感はないかと思います。
なお、両腕・足の合体ジョイント部にはポリキャップを仕込み、
保持力を強化しました。


オリジナルランドクロスとの比較。
…ウェーバーがいないのは…
“6体合体戦士がリメイクされたら、1体消えるの法則”が発動したからです(笑

 

 

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