Vol.174

 

時の歪みの終焉


ハインラッド・プライムの、12分割されたパワー”
それが、ロングラックたちが探していた特異点の正体だった。
宇宙全域に、時計の文字盤のごとく円形に封印されていた特異点は、
ロングラックたちとの接触により一斉に目覚め、
その中心部に一瞬にして集結した。
地球にあった光体とともに、その中心部…住む者もいない、月よりも小さな寂れた辺境の惑星に運ばれたロングラック一行は、
そこで、地球の“タヌキ”によく似た形をしている像を発見する。
風化しているその像に、12個の光体がすべて吸収されると、
像はの表面には艶が戻り、その目には生気が宿った。
「トランスフォーム!」
その掛け声とともに、タヌキは人型へと変形する。
そう、このTFこそ、ハインラッド・プライム。
だが、そんなことは何もわからず、ただ混乱するだけのロングラックたちが見守る前で、
ハインラッドは棍棒のような武器を天に掲げ、聞きなれぬ言葉で何かを詠唱した。
すると、ハインラッドの左右に小さな時断層が発生、
そこから、ベクター・プライムダイタリオン・プライムが現れた。
ハインラッドは、ベクターとダイタリオン、それぞれのパワーが最高値だった時代の彼らを時断層を使って呼び出したのだ。
「時間がない。行くぞ。」
ハインラッドの号令にうなずくベクターとダイタリオン。
3人は等間隔で三角形を描くように立ち、各々の武器を天に掲げる。
またも聞き覚えのない言葉の詠唱がはじまると、
3人の胸が激しく輝きだし、それに呼応するかのように、武器もまた輝きだす。
その輝きが最高潮に達したとき、3人が叫んだ。
「フォールトリバース!!」

 


時空監視官 ハインラッド・プライム
いつから、なぜ時空監視官をしているのか、そのすべてが謎のTF。
年を追うにつれ「時」を操る能力が肥大化してゆき、
やがて自分のパワーの暴走で「時の流れ」を破壊してしまうのを恐れ、
自らでパワーを12分割し、宇宙全域に封印していた。
ベクター・プライムやダイタリオン・プライムにとっては師にあたる。
「時は平等だ。そこに、過去や未来、善や悪はない。」


彼の頭部にセットされたバイザーは、
掛けることで「時の流れ」を読むことができる。


ハインラッドは変形し、ビーストモードとなる。
その姿は地球に生息する「タヌキ」とよく似ているが、
その理由は明らかではない。


ハインラッドの武器・テイルメイス
ビーストモード時の尻尾が変形したものだ。

 

ハインラッドの武器の中心部に光の“穴”が現れたかと思うと、
そこへ、宇宙全体へと広がっていた時断層が飲み込まれてゆく。
それはもちろん、過去、未来、あらゆる時代の時断層も例外ではなく、
時断層自体が時空を超え、光の穴の中へと消えてゆくのだ。
その間、ハインラッドの胸の時計のような模様が、
時計回りに回転したり、かと思えば反転したり、と、激しく回転していた。
ロングラックたちは、目の前の超常的な光景を、ただ唖然と見守ることしかできない。
時断層と同時に、その時断層の影響で“今のこの宇宙”に現れた、
”別世界・別時間の住人”たちもまた、光の穴の中へと消えてゆく。
永遠に続くかと思われたこの光景も、やがて終わりの時がやってきた。
ハインラッド自らが発生させた、左右の時断層も光の中に消えてゆき、
それによって現れたベクターとダイタリオンもまた、光の中へと消えていった。
後に残ったのはハインラッドとロングラック一行、
そして、「いつも通り」な宇宙だ。

後日。
セイバートロン星に戻ったロングラック一行は、
事の顛末をギャラクシーコンボイへと報告した。
そのロングラック一行の中に、ハインラッドの姿があった。
力を使いすぎたためか、その力を失い、そして記憶をも失ってしまったハインラッド。
彼はロングラックチームの一員となった。
マッハキックもなし崩し的にチーム入りし、
合計6人となったロングラックチームは、本来の任務へと旅立つ。
いや、ロングラックたちだけではない。
この宇宙すべての者が、ようやく“いつもの世界”を取り戻したのだ。

――TFGFV 完

 

 

…というわけで、今回はベクタープライムをリペフォって、ハインラッドを製作だ!


って、このリペフォは結構予想通りだったんではないでしょうか?
これ以上ないくらいの組み合わせかと。
そもそも、「TFGFVの最後にハインラッドを持ってくる」というのは、
「時断層」ネタが出てきたときには考えていたんですが、
“ビネオズ戦士シリーズ”が立ち上がったおかげで、
自分のなかで違和感なく製作することができました。
なお、胸部の“時計”は、当初は実際に動く時計にするつもりだったんですが、
いろいろあって断念、針だけは時計の針です。


よく考えたら、別にタヌキを作らなくてもよかったんだよねぇ。
でも、なんかハインラッドはタヌキでないとダメ、そんな気がしてねー…。
“腹時計”に出来なかったのだけは残念かな、自分でも。
あ、ロボ時の足の裏に「通」「酒」って書くのも面白いかも?

 

ブラックザラックに端を発した「TFGFV」、今回で終了です。
ここまで、ワタシの妄想にお付き合いいただき、どうもありがとうございました。





次回からは、更なる妄想ワールドでお会いしましょう!

 

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